動脈硬化とは?
動脈硬化とは、動脈の弾力やしなやかさが失われ、硬く、狭く、もろくなる病気です。
そのような血管は内部が傷つきやすく、やがて血圧の上昇などをきっかけにして、血管が詰まったり破れたりしてしまいます。心臓や脳の血管が突然詰まったり破れたりする「血管事故」は、命にかかわる重篤な症状を招きます。
動脈硬化の恐ろしさ
2013年の統計データによると、日本人の死因第2位の心疾患(心筋梗塞や狭心症など)と第4位の脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)を合わせると、約4人に1人が血管事故で亡くなっています。その割合は第1位の「がん」にも匹敵します。これらの恐ろしい血管事故は、動脈硬化が進むほど発生リスクが高まってしまいます。
動脈硬化の原因は?
加齢や偏った食事、喫煙、運動不足などの生活習慣の乱れにより動脈硬化は進行します。高血圧や糖尿病、脂質異常症の方も注意が必要です。
血液中で増えすぎた悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が原因で動脈硬化が進行する場合もあります。悪玉コレステロールが血管の壁に蓄積すると壁が分厚くなり、プラークと呼ばれるコブができて血管が狭くなります。
血液の流れにくくなった血管は心筋梗塞や脳卒中の危険性が高まり重篤な血管事故を引き起こす可能性があります。
動脈硬化の症状は?
はじめのうちは、痛みや不快感など、自覚症状はほとんどありません。
知らない間に忍び寄ってきて命を脅かすことから「サイレント キラー」とも呼ばれています。
そのため定期的な健診が必要になります。
動脈硬化の危険度セルフチェック
自覚症状のあまりない動脈硬化をご自身で意識されるきっかけとして、セルフチェックリストをご用意しました。
当てはまる項目の多い方は、一度ご相談ください。当院では血管の状態を検査することができる血管年齢検査を実施しています。
- 腹囲が男性で85cm、女性で90cm以上
- 血圧が高い
- 定期的な運動をしていない
- 満腹になるまで食べないと気が済まない
- 生活リズムが不規則
- せっかちでイライラすることが多い
- 階段や坂を歩くのが辛い
- 手足の冷えやしびれを感じる
- 親兄弟に心臓病や脳卒中になった人がいる
- 喫煙する
- コレステロール値、または血糖値が高い
動脈硬化の治療方法
動脈硬化の進行をおさえるためには、生活習慣病の方はまずその治療が必要です。ほかにも、下記のようなことが動脈硬化の進行をおさえ、予防にも効果的といわれています(医師の指示に従って行いましょう)。
治療には薬物療法と非薬物療法がありますが、生活習慣の改善が重要です。
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薬物療法
動脈硬化症の危険因子の改善、合併症予防のために、脂質異常症、高血圧、閉塞性動脈硬化症などの治療薬を処方することがあります。
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非薬物療法
日常生活の中で動脈硬化を進行させる原因となる生活習慣を改める治療法です。
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適正な運動
ストレス解消をかねて適正な運動を継続しましょう。
継続的に運動することで、肥満の解消だけではなく善玉コレステロールが増えることがわかっています。※激しい運動は危険ですので、ウォーキングなど無理のない範囲で継続することが大切です。
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バランスの良い食事
食べ過ぎに注意し、栄養バランスのとれた食事をすることが大切です。
野菜や海藻類、いわし、さばなどの青魚を多く摂取するように心がけましょう。 -
禁煙
たばこを控えることが大切です。
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飲酒を控える
多量のアルコールは血圧を高くするため、飲酒量を抑える必要があります。
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なるべくストレスを減らす
精神的な緊張は交感神経を刺激して血圧を上げます。気分転換をするなどなるべくストレスを溜めないようにすることが大切です。
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